2014年4月1日火曜日

富士・富士宮

前回投稿からブログの日付が1年弱飛んでますが、お使いのPCは正常です。こんにちは、散策家のしかすけ(志歌寿ケイト)です。皆様おひさしぶりです!


昨年7月ごろから手がけていた仕事が3月でやっと終わり、自由時間ができました。散策家活動もようやく再開です。



しばらく遠出していなかったので、販売最終日に青春18きっぷを手に入れ、4月10日までに5日間の日帰り旅をしに行くことにしました。


まず4月1日は静岡県の富士・富士宮です。このあたり、名古屋出身の私は帰省するときに通りかかるということもあり、「いつでも行ける」と思ってついずるずると行かずに終わってしまってました。しかし地図で見ると、なかなか魅力的な旧市街地の形が読み取れますし、富士山の麓を水源とする幾多の都市河川・水路があり、歩くのはとても楽しそうです。ということで、早朝に家を出発し、池袋駅から湘南新宿ラインなどを乗り継ぎ東海道線富士駅へと向かいました。


久々の長距離散策なので、街のなかで「おもしろい!」と思うものをとにかく見つけていく基本姿勢を取り戻していきたいと思います。私の散策は「自分なりの観察視点をより多く持つこと」が基本です。歴史や観光ポイントを知らなくても、あるいはそういった場所が特に無くても、自分の観察眼さえあればどんな街でもそれなりに楽しく歩けるものです。用意されたスポットを巡るのではなく、自分で自由にルートを決め、自分で楽しいものを見つけられるのが散歩の第一の良さであると思っています。また、それは知らない土地の風土を知るという「旅」の味わいにも通じています。散策は小さな旅になり得るのです。


ただ、そういう散策は、お金はあんまり産まないんですよね。決められたところに誘導してお金を落としてもらったり、ルートを案内してガイド料を取ったりというほうが、お金は回ります。そこは否定はしません。ただ、「それこそが散歩だ」にはなってほしくないだけです。やっぱり散歩・散策は、自由でなくては!



はい、能書きはこれくらいにして、富士市です。東海道線富士駅は、規模こそ大きいですが建物や施設は簡素で、テナント飲食店なども特に目立つものはなし。ガンガン観光面を宣伝しようとか誘導しようという感じもしません。また駅前の敷地が王子製紙の工場ということもあって、すぐ近くには大きな商業施設も特にありません。市街地が分散していて新幹線駅(新富士)も離れているということで、バスのりばはそれなりに大きなものでした。


まず駅の北西側の、小さな飲み屋・スナックなどがある地区をさらりと歩きました。思ったより店は多くなく、かわりに生活感がありました。富士はあまりスナック街のようなところがハッキリまとまっていなくて、それだけに駅が近い地区であっても良くも悪くも下世話な感じがしませんね。


駅前から続く、富士本町通り。南北方向の二車線道路で、歩道アーケードつきの商店街です。これをしばらく北へと進みます。商店街は決して賑やかではないですが、そこはどの街もほぼ共通、しかたないことです。ましてや二車線道路の商店街は辛いですね。


幹線道路(青葉通り)を東へ折れて米之宮浅間神社の前を通りました。ちょうど桜が綺麗でしたが先を急ぎます。通り沿いは郊外型の大型店舗が並んでいて、地方ならではの活気が感じられます。でもなぜだかここまで、外食系の店は意外なほど見かけません。


市役所横の狭い二車線道路を北に入って、富知六所浅間神社の横の路地に入ります。良い感じの水路が横にあり、これは和田川という河川になるようです。川の起点の標識は街歩きではめったに見かけませんね。


大宮街道を通って吉原地区へ出ます。吉原で見たかったのは、まずこの吉原中央駅。駅といってもバスターミナル。大宮街道を馬車鉄道が走っていたそうですが、それ以来の名前のようです。地図だけで見ると大きな建物のようなのですが、実際には無壁舎で、まさに駅という感じです。



岳南鉄道には乗ったことがあるのですが、旧吉原市中心部を歩くのは初めて。富士本町と同じく、歩道にアーケードのある商店街です。空き店舗前で出店をしていたりと、富士本町に比べるとやる気が感じられます。建物に長屋型のビル店舗が多いのは昭和らしいですね。こうした建物は東京では十条・赤羽に見られる程度ですが、地方都市ならばこのような建築物にいろいろ巡りあえて楽しいものです。東京の店舗はひとつあたりがとても小さいので、ちょっと迫力不足なのです。カーテンのひかれた上層階から醸しだされる負のオーラが何とも言えません。


吉原から旧東海道を歩くと、ここまであまり見つけられなかった石仏も見ることができました。私の暮らす埼玉南部ではあちこちに石仏・石塔がありますが、こうしたものを道路沿いに設置しつづけるかどうかは地域によって傾向が分かれるところです。ないところは本当にない! おそらく寺院や神社・墓地に集約されてしまうんですよね。散策中にこうしたものがあるとないとでは気分もだいぶ変わります。信心深いわけではないのですが。





富士見大通りを経て駅南側へ戻り富士駅まで一周したあと、身延線に乗って3駅目の入山瀬駅まで移動しました。富士駅よりやや北側、富士山に少し近づきます。次の電車までの20分か30分間だけですが、入山瀬駅周辺を歩きます(富士-西富士宮間は比較的本数が多いのです)。ちなみに富士山の山頂はちょうど雲がかかって見えませんでした。


医院の建物の門に(おそらくわざわざ残してある)古い電話番号札が。都市部を離れてこうしたものを見られるのも散策のいいところです。


このあたりまで来ると土地の傾斜もはっきりとしてきて、富士山麓を源とするであろう水路の流れも迫力があります。民家の裏とは思えません。東京近くではこういう風景を見ることはまずできませんね。御殿場もそうでしたが、富士山周辺市町村の水路は大好きです。気が付くと撮った写真のほとんどが水路ということに・・・。





さて、再び身延線・西富士宮行きに乗車し、終点で下車します。富士宮は東西方向に旧市街地が広がっています。こんな懐かしい感じの商店街もあります。営業率は富士市と大差ない感じで、ここもやはり外食系が驚くほど少ないように思います。


平日ではありますがちょうど桜の季節でもあり、浅間大社を中心に観光客はちょこちょこ見かけました。身延線には外国からの旅行者の姿も。


富士宮市街も良い水路が多かったのですが、特に気に入ったのはひっそりとしたこの路地沿いの水路。これのために再訪したいくらいですね。もちろんちゃんと水の流れがあります。


富士ではあまり見なかったスルースゲートのある水路も発見。このように、せっかく遠いところまで行ってわざわざ水路とか石仏を観察している奴が散策家しかすけであります(笑)!
※水路の写真はまたそのうち「スイロット・アンキョ」のほうにまとめて載せます。


境界標系のモノはあまりみかけませんでした。この杭も最後のほうでやっと発見。


富士宮駅南口へぐるりと一周するように歩いて、この日の歩行は終了。残念ながらスーパーの横は(イオン以外)通らなかったので買い物は無し。いつもだったら、少しは物色するのですが・・・。富士も富士宮も比較的大きな市街地を持つ都市ですが、スーパーやチェーン飲食店はかなり少ない感じがしました。富士宮は焼きそばを推しているようですが、さほどアピールもなく、入りやすそうな雰囲気の店も無かった気がします。たまたま通った場所がそうだったのかもしれませんが。特に富士宮はどこを歩いてもイオンの影を感じる街でした(笑)。


富士山が世界文化遺産に登録されたのは喜ばしいですが、やはり街のほうの状況は厳しそうだなあという感じです。風景の面的魅力は悪くないので、もう少しコンパクトな商業地と敷居の低い店構えであればいいのにと思います。人の誘導もしやすくなりますからね。まあ、どこにでも言えることなのですが。


そんなところで、また次回のレポートでお会いしましょう。


文・写真:志歌寿ケイト(しかすけ)

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