2014年10月11日土曜日

赤羽・八幡谷


横丁・小径学会の前の個人的赤羽歩行。
前回の続きです。

今回は八幡谷界隈を歩きます。
ほぼ貨物線跡の東側に沿った形状の谷戸で、段差はかなりあります。

まず貨物線跡である赤羽緑道公園の八幡小学校近くの入口から、
八幡谷の谷底とも言える溝を覗いてみました。

水はないですが木を縫うように流れがあります(右が緑道敷地)。
今でも水路敷扱いの土地なのでしょうか?
まあ旧線路敷も公共地には違いないのだとは思いますが。


すぐ先の道を南へ入るとしばらく谷沿いに住宅や駐車場があります。
このあたりでもう、崖の上下がはっきりしていますね。


次第に狭くなり、崖と木々で薄暗くなります。
昼間ですが街灯は常に灯されていました。

この木の出っ張りはなかなかのものです。


上の写真の先に階段が見えますが、ここで緑道に合流します。
この道筋はこれでおしまいです。
比較的まっすぐな線路跡に、谷筋が離合するような感じです。

緑道を少しだけ南へ進み、次に一般街路と交差するところ(桐ヶ丘体育館東)で東へ折れます。

そしてやや崖上側の、南の住宅地へ続く小径へと入ってみます。
車の通れない道沿いにへばりつくように住宅があります。
写真右が谷側です。


かなり幅が狭いままで長く続いていく、今どき東京では珍しい街路です。


このあたりから谷底へと下っていきます。
一般家屋のほか、古いアパートもいくつかあります。


下の写真はアパートの共同水道跡。
高低差がありなかなか景色が良いです。


家がなくなったところから谷底を見てみると、
柵と壁に挟まれた水路敷らしきスペースが確認できます。
木々の向こうが緑道です。


そこへ降りていく古い階段もあります。これは緑道に続いていません。
一応、柵には扉がついているので道として認識はされているようです。


ほぼ谷底へと行き着いた道はさらに狭くなり、
谷自体が細くなり崖も迫ります。
(写真にはありませんが、1本だけ途中で緑道につながる小径があります。)


苔むしたコンクリート壁がいい味。
そして、ドキドキするほど狭いですね。
下の写真の奥で行き止まりに見えますが、突き当りの少し手前で右折できます。


地図ではつながっているのかよくわからない描き方がされているものもありますが、
右、左と家々を縫って谷頭、そしてその上まで抜け出ることができます。
案外きっちりとした舗装です。



谷頭近くの突き当りには、なんと井戸が。



井戸の左手に手すり付きの坂があり、一気に谷の上まで抜けられます。
なかなか姿の良い坂道です。



坂の上からこちらへ進むとヌーヴェル赤羽台方面へ出ます。


反対側にはふたたび谷底へ向かう行き止まりの階段(右)と、
かなり細い階段通路(左)があり、これは緑道につながっていました。


以上が八幡谷の街路です。
狭いだけに生活のにおいの濃い地域で、
いかにも昭和前期までに宅地を拓いたという雰囲気が強く伝わってきました。
今だったら許可されないような道ですからね。

個人的には東京23区内ではかなりお気に入りの街路です。
※見た感じ特に通行制限はされていませんが、静かに歩きましょう。


このあと赤羽駅に戻って横丁・小径学会の遊歩に参加し、
ついでに赤羽の花火まで観て帰りました。
少しだけInstagramに写真と動画があります。 http://instagram.com/shikasuke

赤羽・法善寺北側

お久しぶりです、志歌寿ケイトです。

11日の横丁・小径学会の開始時間前に、赤羽の西側を歩いてきました。
写真をいくつかご紹介します。

赤羽あたりは軍事関係の工場が立ち並んでいた地域ですが、
板橋から岩槻への古道の走る法善寺周辺は戦前から住宅地として開かれ、
現在も細い小径が幾筋も残っています。

まず、地図で通りぬけできると描かれている階段の小径を歩いてみました。


なかなか野性味のある階段です。上の写真の先でカクンと曲がります。


この階段小径の下側は八幡谷という谷地で、現在は貨物線跡の緑道が走っています。


全体に舗装はされていませんでした。
一応入るな等とは掲示されていませんが、
ネット地図で白く塗られている道とは思えない雰囲気です。


続いて、その南側の小さな住宅が密集している地区を歩きます。


これが通りまで出られるメインの街路と思われます。

いかにも昭和期に作られた住宅という感じです。
狭い街路と小さな区画で構成されています。

もふもふとした猫が通り過ぎて行きました。


草生した井戸もありました。よく見ると装飾がされています。



一部は未舗装。
横道も狭く、佃や月島に負けない生活感ですね。
でもごみごみとした感じはほとんどありませんし思ったより明るい雰囲気です。



住民による緑化が盛んなのも東京の路地っぽい感じです。
狭いながらも樹木まであります。


次回は八幡谷の小径を紹介します。


2014年5月18日日曜日

池袋から神楽坂

ちょこっとですが、神楽坂へ行く用事のついでに歩きました。
私の都心アクセス口である池袋から歩きます。


まず池袋駅からは東通りを経て、雑司が谷霊園の街路を通って行くことにしました。
近年の整然とした墓地とは違いかなり野性味のある墓地で、
雑草や低木がわりと自由に生えていて、
一区画にちょこんとした墓石があるだけのものもあります。
ただ、名前は江戸時代・明治時代の名家と思しきものが多いですね。


階段も雑司が谷地域の魅力です。
上の写真の場所では、右の柵がいい味。
このコンクリートに鉄棒が2本渡っているタイプは古いですね。
東京でも限られた場所にしか残っていません。


階段がまっすぐではなく、向きや幅が変わるのも面白いと思います。
最近のものだとあまりないのですが、古く小狭い町の階段はこんなのが多いようです。


私はこの上の写真の場所が好きです(奥に見えるのが2枚上の写真の階段)。
騙し絵のように半分壁に突っ込む階段です。
そしてこの手前はかなり狭くなっています。


音羽の暗渠に出ました。ここは川べりの船着場のようなスペースで好きでしたが、
階段が補修されていました。
まあ、もちろん悪いことではないのですが。


新大塚公園のほうから小日向の住宅地に登ってみました。
私などが住むことは到底かなわないような東京屈指の高級住宅地ですが、
まだ団地(社宅)なども健在。

私は暗渠も好きですが、開けた台地の上を歩くのも好きなのです。



改代町・水道町の間の狭い暗渠を抜けて、神楽坂に近づきました。
不規則な古い石積みが各所に残っています。
こういうのは起伏が激しく歴史の深い東京らしいところですね。


ということで神楽坂のイベントに到着です。
知り合いが出店しているため、なるべく毎年行くようにしています。


書くのがずいぶんと遅くなりましたが、天気もよくサクッと気持よく歩けた散策でした。




2014年4月9日水曜日

白河

4月9日水曜日。2014年春の18切符最後の小旅行は福島県白河市。
通りすがったことはありますが、下車するのは今回が初めてです。
古い町というのは知っているのですが、どんな風景が待っているのでしょうか。
(あらかじめ書きますが、城には行きません。何か工事もしてましたし。)



白河駅。いかにもレトロな感じの駅です。

駅前には城下町らしい商業地がありますが、基本的に閑散としていますね。
まず駅の東部を歩きます。


こうしたビルもあるのですが、そんなにいかがわしい区域はなく、
上品で静か(すぎる)市街地が広がっています。
二車線道路に、やや間口が広めのお店が並んでいますが、あまりやってません
(水曜定休のところもあるとは思いますが)。


古そうな装飾のある建物は列挙するときりがないくらいですが、
残念ながらそんなにこだわりもないみたいで、
旧市街地に利用価値がもっとあればすぐなくなってしまいそうで複雑なところ。



レンガの塀や壁などが見られるのは古い町ならではで、私は好きです。
下のは東北本線の高架です。




ここでようやく水路が登場。
城下町の通りの真ん中が水路だったようですがもちろん今はなく、
旧市街地は比較的起伏がないため、はずれの方にこうした水路があります。

ただし家々の間の手のひらくらいの幅の排水路はたくさんあります
(これは古い街には多いものですが)。



仮設住宅の建っているあたりを一回り。

これも東北本線の、高架というかトンネル。ここは良かったです。



パチンコ店裏のちょっとだけ残っている開渠。




古い建物がどんどん出てきます。あまり紹介等が書いてないのが惜しいですね。



これは普通の水路。排水管がたくさん出てます。
水路の写真についても多いので、スイロット・アンキョにあとでまとめたいと思います。


旧市街地東端部・白河総合運動公園近くでは広い道路と合流しますが、
寂れた新市街地というか、競争に負けた郊外型商業地というか、そんな感じでした。
ということで引き返します。


ここは本通りではないけれど旧道っぽい面影があります。

交差点近くの一角にあるお地蔵さま。
野ざらしですが、コップじゃないところがいいですね。


旧陸羽街道沿いに、新白河方面(西側の市街地)へ向けて歩いていきます。
わりと普通の住宅も多くなっていきます。
ここは昔の市場型商店街かな・・・。



これもいい感じの水路。



適当なところで西へ折れて、国道289号に出ます。

現在の主要商業地は、新白河駅周辺のこうした大きな道路沿いのようです。
徒歩で回るのはかなり苦しいですが、スーパーから外食・ファッションとなんでもあります。
私も自分用の土産(地元産の醤油)をスーパーで買いました。

これでは旧市街地はかなり苦しいですし、新興商業地同士の競争も激しいでしょう。
これも「車で回れる商店街」みたいなもので、集積性も大事なんですよね。
あ、電車まで時間があったのでブックオフで地図を3冊買いました(笑)。


帰りは新白河から乗りました(各駅停車に)。
駅前はあまり何もなく、新幹線駅だけが巨大という、まぁこれもよくあるパターンですね。

白河は古い建物はこれでもかというくらいにあり、
普通なら観光資源にもなりそうなものですが、思った以上に旧市街地に活気がなく、
でも新しい市街地もあって生活できるんだからいいか的な、
ある意味での焦りのない感じ、危機感のないのんびりした印象を受けました。
※余所者の個人の感想です!

散策的にはいいところですが、いくらなんでも旧市街地にもう少し店がないと、
休んだりはしづらいですね・・・。
徒歩での回遊もあまり推奨してなさそうなので、しかたないですけどね。



まあそんなわけで、私の春の旅はおしまいです。
夏はよほど暇だったらやりますが、暑いのは苦手なので、
ただ電車に乗ってるだけの旅になるかもしれません。