まずは再開発が進む六本木3丁目2のあたりを散策。IBM本社・ハローワーク・ヴィラフォンテーヌ・空港施設ビルなどがあったところです。再開発はもっと広域に及びますが、今取り壊しているのは上記のビルのあたりです。
再開発地の真ん中を貫く街路はそのまま通行できます。なんとも空が広いですね。左で壊しかけているのがハローワークのビルでしょうか。日曜日なので工事は行われていません。静かです。
ホテルのあったところの煉瓦の壁はまだ残されていました。この穴は何かを通したのでしょうか。
南側の階段は仮設のものになっています。骨組みがユニーク。
その階段を振り返ると、先に取り壊した部分が一望できます。正式には「六本木三丁目東地区第一種市街地再開発事業」という呼称で、住友不動産が中心となり建設しているそうです。六本木一丁目駅はとても地味な存在ですが、この開発でも商業棟は駅と反対側の六本木通り沿いにできるようです。
再開発地西側の丹波谷坂です。まっすぐで、坂上からの風景もなかなか良い坂です。地図では普通の街路に見えますが、かなり急です。徒歩の抜け道としては楽ではないですね。設置されている案内柱によれば、坂上に岡部丹波守の屋敷があったことからそう呼ばれたとのことです。
途中にある石積み擁壁はなかなか複雑でした。斜面側が大谷石というのはよくありますが、道路側もコンクリートで埋めたりといろいろと変更があった痕跡が伺えました。それなりに古いものなのでしょう。
丹波谷の谷頭からロアビルのほうへ登っていく道は、このような細い坂になっています。丹波坂の道は元々はこちら(南)へは抜けられなかったようで、あとから設置されたものなのでしょう。
「昼間は通りぬけできます」という私道の階段通路。この先に出られる道が家1軒挟んですぐ北にあるのですが、わざわざ開放しているのは珍しいですね。先に見えるのが不動坂です。
丹波谷坂の南に平行する不動坂を登って振り返ってみたところです。坂の途中に五大山不動院があります。右側があの有名・・・でないほうの六本木ヒルズです(笑)。
先ほどの狭い坂の横、窪地には墓地があります(特定のお寺のものではないようです)。雑居ビルに囲まれた独特の風景で、私は好きです。墓地もまた小さなビルのようでもあります。むしろお墓のほうが生き生きして見える気もします。
六本木3丁目から麻布台1丁目へ向かいました。左が都心環状線・飯倉入口、こちらの一般道は行合坂です。真ん中の谷は我善坊谷という通称で、落合坂という道が通っています。曲がってすぐのところに横川省三記念公園(普通の児童公園です)がありますが、港区サイトによればこれも高速道路工事で移転したあとのものだそうです。
我善坊谷をゆったり下る落合坂の道は、周囲の傾斜のためかあまり交差点がなく、左右に行き止まりの私道がいくつも伸びています。このあたりは純然たる住宅地です。
このような雰囲気のある横道が並んでいます。
さらに東に進んでいくと、次第に街の生気が感じられなくなってきます。取り壊されこそしていないものの、空き家が増えてきます。
実は我善坊谷の東側は再開発のためかなりの割合で空き家になっていて、閉鎖された細い道もあります。管理者は森ビルのようですが、開発に着手するでもなく何年もこのままで、まさに「ゴーストタウン」という言葉が浮かんでしまいます。
ここは八幡神社(西久保八幡・飯倉八幡)の北参道に通じる道です。奥の階段が参道で、通りぬけできます。
閉鎖された道は落ち葉で埋まっています。
傘の下は猫のたまり場のようです。発泡スチロール箱が妙に削れているのは、猫たちが爪を研いでいるから。
北参道はほとんど誰も通りません。通るとしたら、カメラを持った人、まち歩き好きな人、そんなところです。
八幡神社境内ではお花見もOKで、「火の使用には十分注意ください」との注意書きからすると火気厳禁ではないようです。珍しいですが私有地ならではですね。都心のこぢんまりとした神社で、外国人の見物人もちらほらと見受けられました。
こちらは我善坊谷から北へ登る稲荷坂(我善坊谷坂)です。数年前までは良い石積みのある風情のある坂だったと記憶していますが、今はなんだか白っぽく整備されています。それでも古い木造家屋は健在です。
稲荷坂を登って東側が、仙石山と呼ばれる住宅地です。奥のビル(アークヒルズ仙石山 森タワー)のほうが再開発されて、道のかたちがだいぶ変わってしまいました。
八幡神社の南にあるこの階段坂は雁木坂と呼ばれています。桜の木とのマッチングが非常に良いですね。右の看板が景観から浮いているのが残念です。
雁木坂の横から伸びる小径もなかなかの味わいです。外苑東通へと抜けます。
雁木坂の北で我善坊谷へと降りて行くのが三年坂。眼前にビルがないため、このあたりにしては見晴らしの良い坂のひとつです。
こちらは外苑東通りから南へ入る坂のひとつで、表記は見当たりませんが鼬(いたち)坂というそうです。
そこから分岐する、ちょっと古そうなコンクリートの階段坂。残念ながら工事用の壁に囲まれています。
その名の通りの、小狭い鼠坂を下って狸穴公園を目指します。
坂の横の石積みは、なんだか野性味があるものでした。
狸穴公園の片隅には狸穴稲荷大明神があります。それにしても、鼬・鼠・狸と、動物の名前がたくさん登場する地域ですね。
最後は環三通りの日進ワールドデリカテッセンで買い物。外国人向けの、東京らしいスーパーのひとつです。私はこのあたりを通りかかる時はだいたいここで何か見て行きます。
今回は到着時間が遅くなったこともあり、回りたいところをすべて歩けたわけではないのですが、多くの坂道と窪地を再確認できたのは収穫でした。桜と組み合わせた風景が楽しめたのも良かったですね。
地形の難しい話はあまり気にせずとも、ビルとその他のものとのコントラストが面白いので、いつでもふらりと散策して充分楽しめる地域ではないでしょうか。変わっていく町並みを、私も定期的に観察したいと思います。
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